(1)
★原始仏教の要である四聖諦は、苦の現実、その原因、超克された境地、その最終点に達する8つの道である。
なぜ苦しくなるかを心得る第二命題は、因果論を正しく理解することだ。
だが、因果論を学び業論を肝に銘じても、こと自分の問題になるとその理解がブッ飛んでしまう。
エゴ妄想に圧倒されてしまうからだ。
自己中心的な生存欲に端を発する我執から目覚める瞑想……。
……………………
(2)
★夫婦喧嘩をしているという妻の話を聞くと、とんでもない夫だと同情する。
次に夫の言い分を聞くと、え、あの人そこまで自己チューなのか……と驚く。
物事を認知する瞬間、<選択的注意>が働いて情報の取捨選択がなされていることに気づかない。
エゴワールドが自動的に形成されていく構造。
……………………
(3)
★あの論理的なドイツ国民が、ナチスの愚劣な幻想を熱狂的に共有していた時代もある。
夫婦喧嘩をする人もしない人も、百人いれば百人の妄想世界。
自分は自分のエゴワールドに住しているに過ぎない、と気づけなければ、他人を非難し断罪したくなってくる。
人には真実は見られないのだ、と心得ておく……。
……………………
(4)
★先天的聾唖者が7歳で手話を覚えるまで、過去も未来もない今の瞬間だけに生きていたと証言している。
言語がなければ時間は発生しないし、記憶を司る海馬が損傷しても時の後先が失われる。
あるがままの法の世界に生きている動物達に知恵は生じず、言葉と時間の感覚を得た人類は妄想の底なし沼から出られない……。
……………………
(5)
★歴史を学び、夢と希望に向かう人もいるし、トラウマに苦しみ、将来不安の妄想で自滅する人もいる。
想像力を持たないチンパンジーは、「今、ここ」だけに心を使いきり、過去を恨まず、未来に絶望することもない。
妄想を止め、サルの脳で経験し、ヒトの脳でラベリングするヴィパッサナー瞑想……。
瞬間の言葉