(1)劣等感が強い人ほど、人の恩を忘れていくものだ。
 お世話になり、導いていただき、やっとここまで来られたのに、何もかも自分ひとりの力で成し遂げてきたかのように認知が変わってしまう。
 屈辱の過去に復讐するかのように、傲慢な上から目線になっているのに気づかない……。

(2)言われたとおり丁寧に、セオリー通り修行するビギナーの初々しい姿に、タジタジとなる古参。
 解ったつもりになったダンマは、何回耳にしても、ああ、あの話か……と同じ理解が右から左に素通りだ。
 ボロボロになった座右の書から、果てしなく新たな意味を汲み取る智慧の人もいるのだが……。

(3)ハカライというものは、必ず破れていくものであり、いつか行き詰まっていくものだ。
 仮に最後まで、人に知られることがなくても、作られていった業が噴き出て来る日がやって来る……。

(4)ああ、自分はひどいことをしている……と自覚しながら悪いことをする人は少ない。
 これは良いことだ、当然のことだ、と思いながら、好きなこと、やりたいこと、信じていることをやっているのだ。
 ……こうして誰も、毎日、嫌な人に出会い、不快な出来事に苦しむ人生になっていく……。

(5)地獄の極悪人にすら、蜘蛛の糸が垂らされてきた。
 本当は誰にでも、チャンスは訪れているのだ。
 ぼんやり見送ってしまう人。
 自ら断ち切ってしまう人。
 紙一重で救い出される人……。
 カルマが現象化するのを助ける支持業があり、邪魔をする妨害業がある……。