「月刊サティ!」2006年3月号、4月号に、アチャン・リー・ダンマダーロ師による「みんなのダンマ」が掲載されました。これは、「パーリ戒経」中にある仏教徒が自らを善き人間に鍛える実戦の指針で、6つの項目に分けられています。今月は6回目です。
六番目の指針adhicitte ca āyago (アディチッテ チャ アーヤゴ 心に関することどもにつとめはげむ)とは、自己満足になるな、ということです。adhicitte、すなわち「心を高める」よう、精進して禅定の実践をしなさい。しばしば禅定を実践し、仲間の人たちの手本となるよう所に触れて高い集中力の中で坐りなさい。
話をするときは、瞑想の課題をいかに発展させるか、助言を求めなさい。禅定によって得られたことについて話し合いなさい。心から障害(*訳注)を取り除く訓練をしなさい。こうしたことを行えば、「心を高める」という原則に従っていることになります。
「心を高める」ことのもう一つの段階は、心が障害から解放され、一切揺らぐことのない禅定に入った時です。それは堅固で頑丈、強固で、何物にも汚されません。これが「心に関することどもにつとめはげむ」こと、つまり「心を高めることへの誓い」です。ですから自己満足にならないでください。このように修行し続けてください。
etam buddhāna-sāsanam. (エダン ブッダーナ サーサナン これがもろもろのブッダの教えである)とは、あなたがこのように行えばお釈迦さまの教えに沿っている、ということです。これらはお釈迦さまが実際におっしゃった言葉です。ですから私たちは皆、自分の中にこうした原則が生まれてくるように修行していかなければなりません。
正直に誠実に、この教えを自らの中にしっかり確立するならば、たとえ苦しみから完全に心を解き放たれなかったとしても、少なくとも正しい方向に自分を尊いていることになります。日に日に悪い習慣はなくなり、代わりにこれまでなかったような善い習慣が生まれてくるでしょう。すでに持っている善い習慣はさらに育っていくでしょう。
さあ、この話をみなさんお聞きなのですから、どうぞ実践してみてください。お釈迦さまの説法に則って行動するよう、自らを鍛えてください。そうすれば、その教えに沿って実践するにつれ、幸福と繁栄に出会うことでしょう。
*訳注:障害とは五蓋(感覚への欲望、瞋恚、惛沈睡眠、掉挙、疑)のことを言っていると思われる。