ラベリング論 第2回 「言葉の力」
ラベリングは瞑想の核心であり、気づきや洞察を深める役割を果たす。言語の特性に基づく分析・抽象が智慧の発現を支え、内面を探求する重要な技法である。
ラベリングは瞑想の核心であり、気づきや洞察を深める役割を果たす。言語の特性に基づく分析・抽象が智慧の発現を支え、内面を探求する重要な技法である。
★ヴィパッサナー瞑想を進ませるには、いくつかのポイントがある。サティの精度を上げる。集中力を強化する。妄想の対処を厳密にする。反応系の修行を徹底する。五戒を厳守する。ラベリングの質的向上を目指す。洞察の智慧の仕込みをす […]
★ここでもういちど懺悔の原点に帰ってみよう。懺悔は取り引きではないことを確認しておかなければならない。 幼い子供が成長し、やがて大人になっていく。 利己的な要素を含む「劣善」が、いつの間にか純粋に利他的な「中善」と […]
お釈迦様が弟子を伴って托鉢のためにある町に入られた。その姿を見た一人の老人が近づいて言った。 「おお、息子よ、なぜこんなに長い間逢いに来てくれなかったのだ。さあ、行こう。お母さんにも逢ってやってくれ」 家に着くと老人の […]
*業論からの解釈 ★なぜ懺悔をすると、惛沈睡眠や痛みの現象が消失するのか。設問①の因果関係を考察し、医学的解釈と暗示や偽薬効果の可能性を検討してきた。 ここからは、懺悔と現象の関係を業論の側面から検討してみよう。 強い […]
★なぜ、懺悔をしたら痛みや眠気の現象が突然消えたのだろうか。 設問①「懺悔と現象の因果関係」を考察していこう。 この種のことが起きるときのポイントは、真剣であること、強い実感のこもった想念が発信されていることの2点であ […]
なぜ懺悔をすると痛みや眠気など瞑想修行の妨害要因が消えてしまうのか。これを科学的に説明するのは容易ではないが、こと瞑想に関しては、問題が解決し修行が進みさえすれば良いではないか。合理性に欠けても、暗礁に乗り上げた瞑想の […]
★タイの僧院で修行していたとき、どうやっても悟れないと心の折れかかった比丘が、惰性で修行を続けていた。黄昏時に長時間の座禅から立ち上がり、回廊の手すりに両肘を突き、虚ろな眼で夕陽の残照を眺めながらペットボトルの水を飲ん […]
★私の修行生活は懺悔の瞑想から始まった。懺悔は「ネガティブな過去からの解放」と定義することもでき、心の清浄道の中心的命題として何度も繰り返し言及してきた。 20余年前に懺悔修行について何本もの原稿を書き、その掉尾を飾っ […]
●殺人鬼と化していたアングリマーラの人生は偉大な師との出会いにより劇的な回心をとげ、新たな仏弟子としての修道生活に入ることができた。しかし血まみれの惨劇を繰り返した彼の心がいかばかりであったかが「テーラガータ887」の […]
●折しも母を殺して満願成就しようとしていたアングリマーラにブッダは近づいていった。ブッダとアングリマ-ラは長い輪廻のなかで幾度も出会い、常にブッダの精神の力がアングリマーラの肉体の力を圧倒するという関係だったが、時には […]
編集部より:今月から【懺悔物語】を3回に渡って連載していきます。これは、本誌の読者の目に触れたことのない文書資料で、過去の原稿を執筆当時の文体のまま掲載いたします。 👑「おお、季節よ! 城よ! 無疵な心 […]
*悟っても苦があるの? 凡夫であれ悟った人であれ、病気になれば肉体的苦痛は同じように生起してきます。悟ればすべての苦(ドゥッカ:Dukkha)がなくなり、神通力などを使いながら無病息災、不老長寿の元気印になれるのではな […]
*心身一如 良い瞑想をするためには意識の透明度が何よりも重要で、その良否を決める最大の要因は体調です。私が断食マニアになったのも、栄養学を勉強したり、食事に細心の心配りをするようになったのも、全ては体調のため、瞑想のた […]
現在休止中ですが、かつては10日間の瞑想合宿を定期的に行なっていました。ある合宿の時に、一人の瞑想者の具合が悪くなり、病床に臥せてしまったことがありました。合宿が始まってから風邪を風邪を引いたり体調を崩した方は、それま […]
「我思う、ゆえに我あり」と言ったのは、フランスの哲学者ルネ・デカルトでした。 有名な言葉ですが、ヴィパッサナー瞑想の立場からは、「妄想を止めなさい、すると無我が体験されますよ」ということになります。 思考を止めるのは至難 […]
*瞑想ができない…… ストレス・ランキングでは、どの調査でもトップは配偶者の死、次いで離婚や肉親・友人の死が必ず上位5位に入ります。掛けがえのない人を喪った悲しみは、瞑想修行が不可能になるほど深刻です。悲嘆や絶望のどん […]
輪廻転生は原始仏教の最重要テーマですが、その是非を科学的に証明することは難しく、事実をありのままに観るヴィパッサナー瞑想の根幹にも関わってきます。ブッダの悟りとは、果てしなく繰り返される輪廻転生から解脱することであり、 […]
死の専門家と言えば、スイス人の精神科医キューブラー・ロスの右に出る者はいないでしょう。代表作『死ぬ瞬間』が世界的なベストセラーになりましたが、ホスピスやターミナルケア(終末期医療)の草分け的存在として知られています。ロ […]
第4章 輝く命、消えゆく命…… *感動すること 朝日カルチャー講座と1Day合宿の仕事が終わり、茨城の道場に帰ると、隣家の老婦人が前夜に亡くなっていました。2年間、町内の役員を一緒に担当し交流のあった方だけに、一瞬、胸 […]
第3章 死のラーメン哲学 *本気になる…… もし本当に自分の余命宣告がなされたなら、誰でもカメラマンの保山さんと同じように残された人生の一瞬一瞬に命を懸けざるを得なくなるでしょう。死期が宣告されカウントダウンが始まって […]
第二章 *神様の藤 死を覚悟した人の心象が見事に描き出された映像がもう一つ、保山さんの故郷、奈良春日大社の朝まだきの藤棚の美が感動的でした。 藤の季節の一時期、春日大社の藤棚は神秘的なかそけき美しさを醸し出すらしいので […]
第一章 これが最期…… 昨日は、春秋社という出版社の社長がお亡くなりになり、葬儀に参列しました。春秋社は、私が初めて書いた『ブッダの瞑想法』という本を出してくれた出版社で、その最初の本が好評だったので、その後何冊か刊行 […]
今月は質問をもととしたダンマトークを掲載いたします。内容は、人類が生き延びるために培った形質をふまえて、ヴィパッサナー瞑想の意義するところを俯瞰的な視点から解説しています。ぜひ、みなさまの瞑想実践のバックボーンとして活 […]
(承前) 6.「悲しみ」という名の「怒り」を手放す 前述した未亡人ですが、悲嘆に暮れた母の様子を見かねた娘が『瞑想クイックマニュアル』出版記念講座の1dayコースに母親を連れて来ました。その後しばらくして、この未亡人は […]
1.はじめに 慈悲の瞑想は、サティの瞑想と並行して習得していかなければなりません。 慈悲というのは仏教の究極の概念です。慈悲の瞑想が完璧にできるようになることが、ヴィパッサナー瞑想の究極の目標にもなっています。 慈悲の心 […]
Ⅲ.赦すためには 1.大人になる 「渇愛」がさらに強烈な執着である「取(ウパダーナ)」に発展すれば業が確実に形成され、やがて相応の異熟(業の結果)を得ることになるでしょう。 仏教の基本的な理論からは、「取」に発展する前 […]
はじめに 私は長年にわたってサティを中心とするヴィパッサナー瞑想の理論と実践を教えてきましたが、「サティの瞑想をやっていくだけで本当に心が変わっていくのでしょうか?」という素朴な疑問を持たれる方がとても多かったように思い […]
5.ネガティブな体験は宝物 さらに私が強調したいことは、ネガティブな体験というものは必ず宝物になるということです。宝物どころか人生の必須アイテムと言うべきかもしれません。そもそもネガティブな体験がなければ、人は成長できな […]
③ ジェーン・フォンダの場合 -2- 自伝 彼女が60歳を過ぎて書いた自伝を読むと、おそらく彼女は「赦しの瞑想」をやり遂げることができたのではないかという感じがします。マリリン・モンローとは異なり、彼女は自分の過去を受け […]
1.はじめに 今日は「赦し」のための瞑想についてお話しようと思います。 ヴィパッサナー瞑想のキーワードは、あるがままに観ていくことです。快情報も不快情報も、快感も苦痛も、どちらにも等しい距離感を保って、淡々とサティを入れ […]
(承前) こうして、刑務所の囚人が教師となって、チンピラの少年少女たちに次々と更生プログラムを施していくのです。黒人もいる。白人もいる。どの囚人もみんな見事なセリフ回しなのです。長年やっているから慣れているのでしょう。ど […]
1.はじめに ヴィパッサナー瞑想は、みなさんよくご存じのように、心の清浄道という、不善心あるいは煩悩で汚染された心をきれいにしていく瞑想です。心は、汚染された状態から浄らかな状態に変わることができます。この瞑想はそのた […]
1.はじめに サティの瞑想で心の汚染に気づくことができたなら、いかにしてその汚れを取り除いていくかが次の修行課題になります。これを「反応系の修行」とも言います。 その修行プログラムは膨大ですが、「三行日記」という面白い方 […]
◎不安感が消えないAさん: 私は漠然とした不安感を持っています。この瞑想を始めてから2年間でだいぶ薄まりましたがまだ残っています。 私には完璧主義のところがあって、自分自身に対しても会社の同僚に対しても高い水準を求めてし […]